令和3年の大相撲夏場所で2場所連続4度目の優勝を決めた大関照ノ富士。奇跡の大関復帰だけでなく、復帰した場所での優勝と完全復活を遂げた印象です。

かつて、「横綱に最も近い大関」と言われた照ノ富士に、名古屋場所横綱昇進のチャンスがめぐってきました。横綱は角界の最高位なので、誰しもが目指したい地位でしょう。

さて、照ノ富士の横綱昇進への条件とはどれくらいなのでしょうか。照ノ富士の挑戦がどれくらいのものなのか考察していきたいと思います。

最終的には、横綱昇進の「優勝に準ずる成績」が適応されるのかがポイントだと言えるでしょう。

 

そもそも横綱昇進への条件とは?

力士の横綱昇進の条件は、横綱審議委員会の内規に規定があり「2場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績」というものです。

文字通り2場所連続で優勝するか、優勝に準ずる成績が必要という訳です。

2場所連続優勝は明確ではっきりした条件ですね。
これは何がどうなってもはっきりしていて白黒つけられます。

問題は「優勝に準ずる成績」です。

これがその時々によって条件が異なってくるのです。

ここがどうなるかが、照ノ富士の横綱昇進の条件してはポイントになってくると思います。

過去の横綱の昇進

近年の横綱昇進時の勝ち星はどのようなものだったのでしょうか。
最近の横綱から見ていきましょう。

横綱昇進前の成績

稀勢の里 12-3 14-1(優勝)
鶴竜   14-1 14-1(優勝)
日馬富士 15-0(優勝) 15-0(優勝)
白鵬   13-2(優勝) 15-0(優勝)
朝青龍  14-1(優勝) 14-1(優勝)
武蔵丸  13-2(優成績勝) 13-2(優勝)
若乃花  14-1(優勝) 12-3(優勝)
貴乃花  15-0(優勝) 15-0(優勝)
曙    14-1(優勝) 13-2(優勝)

直近の昇進では、
稀勢の里、鶴竜を除く横綱は2場所連続優勝で文句なしの横綱昇進を決めています。ここでポイントになってくるのが、「優勝に準ずる成績」についてです。

過去には優勝をせずに横綱になった故・双羽黒もいます。
双羽黒は12勝3敗(優勝次点)、14勝1敗(決定戦で惜しくも優勝を逃がす)と2場所を経過し、当時は千代の富士の一人横綱という背景も手伝って、「若さゆえの力不足だが、素質、可能性がある」と言う事で、2場所連続の「優勝に準ずる成績」で横綱になりました。

ところがこの双羽黒は、当時の師匠であった立浪親方と対立し、廃業となってしまいます。

不祥事案件で、このことがきっかけでその後の横綱昇進の条件が厳しくなります。

 

そのあおりを受けたのが、貴乃花です。

1993年には14勝1敗で優勝、13勝2敗(決定戦で優勝を逃がす)といった好成績でも横綱になれませんでした。

双羽黒の廃業事件は当時世間を騒がせてしまったので、横綱審議委員会は昇進の条件を厳しくしたのでしょう。

若貴時代の横綱が皆2場所連続優勝しているのは興味深いですね。

照ノ富士の横綱昇進の条件は?

ところが最近の鶴竜、稀勢の里はその当時と比べ、昇進の条件が緩くなってきています。

特に稀勢の里は久しぶりの「日本出身横綱誕生」の期待もあってか、12勝3敗の成績でも「準ずる成績」に該当しています。(勿論年間最多勝をとったので、それも考慮されていると思いますが。)

 

現在の大相撲は鶴竜が引退し、白鵬も膝が悪く、引退が近い状態です。このような背景もあるので横綱承認に「準ずる成績」が適応される可能性が高いと言えますね。

審判部長の師匠である伊勢ケ浜親方も
「(優勝に)準じる成績を残したらそういう(横綱昇進)話も出てくる。1年で3回優勝、2場所連続優勝しているわけなので」

という趣旨のコメントを残しています。

となると、優勝しなくても優勝に準ずる成績を残せば昇進できる、可能性が高そうですね。

照ノ富士は真面目で序二段から大関まで這い上がった「心」を持っていますので、その点も加味されているのでしょうね。